半導体製造とスクリーン印刷の役割～優位性についても解説～

近年、パワーデバイスや高性能電子部品の需要拡大に伴い、半導体製造プロセスにはこれまで以上に高い信頼性と耐久性が求められています。そうした中、スクリーン印刷はプリンテッドエレクトロニクスとして、新しい半導体デバイスの可能性を広げています。
本記事では、半導体製造においてスクリーン印刷の役割と優位性を紹介します。現場の課題解決や今後の検討の一助となれば幸いです。

1. 半導体製造でのスクリーン印刷の役割

厚膜形成

半導体製造では、電極や絶縁層に十分な厚みが必要とされる場面が多くあります。特にパワーデバイスや厚膜抵抗器では、膜厚が信頼性や耐久性に直結します。
スクリーン印刷は、およそ数µmから数百µmまでの幅広い範囲で膜厚を形成できるため、電流容量の確保、耐熱性の向上、機械的強度の確保に有効です。
その特性を活かし、厚膜抵抗器やコンデンサ電極、パワーモジュールの配線、絶縁層の形成など、多様な分野で利用されています。

配線形成

微細配線といえばフォトリソグラフィが主流ですが、工程が多く、コストも高いという課題があります。その点、スクリーン印刷を利用したプリンテッドエレクトロニクス手法では最小線幅約50µmからライン形成が可能で、ワンショットで大面積に導電ペーストを印刷できるため、量産性に優れ、かつ工程を大幅に簡略化できます。
また、銀や銅、カーボンなど様々な導電性インクで対応できる点も利点です。実際にフレキシブル基板（FPC）、RFID、センサー、タッチパネルなどで広く採用されており、適度な微細化と量産性のバランスを両立する手法として重宝されています。

なぜスクリーン印刷が選ばれるのか

コストパフォーマンス

電子機器の製造工程では、フォトリソグラフィはフォトマスクを使用し、現像・レジスト除去といった複数の工程を経て回路を形成します。一方、スクリーン印刷を用いたプリンテッドエレクトロニクスは、必要な部分に直接塗布できるため、工程を大幅に短縮でき、製造コストの削減にもつながります。

量産性

当社が製造しているシリンダー型のロールtoロール方式スクリーン印刷機では、ロール状に巻いた被印刷物を同じ生産ライン上で製造するため、連続的に大量製造が可能となり効率的な量産を実現します。

対応力

スクリーン印刷は「空気と水以外なら何にでも刷れる」と言われるほど基材対応力が高い工法です。近年では、電子回路や電子デバイスに対して軽量化や柔軟性、特殊な形状など多様なニーズが求められています。スクリーン印刷は、基板の種類や形状、使用するインクを組み合わせて工夫することで、こうした要求に柔軟に対応し、最適な製品づくりを可能にします。

厚膜形成が容易

ほかのプリンテッドエレクトロニクスの印刷法とは違い、スクリーン印刷は、およそ数µmから数百µmまでの幅広い範囲で膜厚を均一に形成できるため、電流容量の確保、耐熱性の向上、機械的強度の確保に有効です。

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今後の可能性とまとめ

スクリーン印刷は、厚膜形成や配線形成における強みを活かし、半導体製造の現場でも役割を担っています。近年は微細化・高精度化の技術革新に加え、環境対応材料の導入やIoT・ウェアラブル機器への応用拡大によって、その重要性はさらに高まっています。

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