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コラム

プリンテッドエレクトロニクスとは?特徴や課題を解説

2025.04.24

プリンテッドエレクトロニクスは印刷技術を活用し、従来のフォトリソグラフィに代わる新たな電子回路や電子デバイスの製造方法として注目されています。スマートフォンや交通系ICカード、万引き防止のタグなど私たちの身の回りにあるものにも電子回路や電子デバイスが使用されています。
この記事では、プリンテッドエレクトロニクスの特徴や課題について解説します。現場の課題解決などの参考になれば幸いです。

目次

1. プリンテッドエレクトロニクスとは?フォトリソグラフィとの違いも解説
 - プリンテッドエレクトロニクスとは
 - フォトリソグラフィとの違い

2. プリンテッドエレクトロニクスの特徴
 - 作りたいものに合わせて柔軟に作れる
 - 低コストで大量に作れる
 - 環境負荷への軽減

3. プリンテッドエレクトロニクスの課題
 - 自社生産するのが難しい
 - コストと性能の釣り合いが取りにくい

4. プリンテッドエレクトロニクスの今後の可能性とまとめ

1.プリンテッドエレクトロニクスとは?フォトリソグラフィとの違いも解説

プリンテッドエレクトロニクスとは

プリンテッドエレクトロニクスとは、電子回路や電子デバイスを印刷技術を用いて製造するテクノロジーです。
プラスチックフィルムなどの基板に、導電性ペーストなどを回路の形状に刷りつけて製造します。現在主流になっているフォトリソグラフィに代わる新しい製造技術として注目されています。

フォトリソグラフィとの違い

上の図のとおり、電子機器の製造工程において、フォトリソグラフィはさまざまな工程を経て製造します。
一方で、プリンテッドエレクトロニクスでは部分塗布が可能なため、大幅な工程の短縮やコストの削減が可能です。

2.プリンテッドエレクトロニクスの特徴

作りたいものに合わせて柔軟に作れる

近年、さまざまな形や軽量化、柔軟性など、いろいろな条件を求める電子回路や電子デバイスの製造需要が高まっています。作りたいものに合わせた印刷基板や形状、インクを工夫することで、新しい製品や技術、価値が生み出されています。

低コストで大量に作れる

当社が製造しているシリンダー型のロールtoロール方式のスクリーン機では、ロール状に巻いた基板を被印刷物として印刷を行うため、コストを抑えながら、同じライン上で1度に大量に製造できます。

環境負荷への軽減

フォトリソグラフィでは、製造工程の中で多くの化学物質が使用され、その一部は有害性が高く、適切な処理をしなければ環境汚染の原因になります。
一方で、部分塗布が可能なプリンテッドエレクトロニクスは材料やエネルギー、廃棄物の観点から環境負荷の軽減が期待されています。

3.プリンテッドエレクトロニクスの課題

コストと性能の釣り合いが取りにくい

要求に合わせた柔軟性や透明性が求められる性能と、印刷コストや印刷速度、耐久性の確保などを両立することが課題となっています。

自社生産が難しい

スクリーン印刷機を用いた製造では、乾燥機や加工装置など複数の異なる装置を組み合わせた印刷工程ラインが必要になります。スペースの確保や設備投資額などで負荷が大きく、また素材、インクや版などの選定についても、専門的な知識が必要となり、新規で始めるにはややハードルが高いです。印刷機メーカーに印刷の工程をOEM・ODM委託を行って試作や量産を進める会社も増えています。

プリンテッドエレクトロニクスの今後の可能性とまとめ

プリンテッドエレクトロニクスは、新たな製品開発や用途の多様化、環境や経済に貢献する技術として、世界的に大きく需要が拡大しており、技術的にも急速に進展しています。

スクリーン印刷機のメーカーであるSakuraiでは、全5棟のクリーンルームエリアを活用したOEM・ODM事業「試作特化型受託生産」がございます。お客様は設備投資をすることなく、当社のクリーンルームや装置、人材を活用いただけます。試作から上市まで、さらには自社で量産ができないお客様には、量産してくれる工場とのマッチングまでサポートいたします。
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