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コラム

スクリーン印刷機導入事例紹介 ~FPC(フレキシブル基板)~

2025.06.19

スクリーン印刷機メーカーの桜井グラフィックシステムズでは、ロールツーロールのシリンダー型スクリーン印刷機を製造しています。
この記事ではFPC(フレキシブル基板)の量産対応を目的として、当社のスクリーン印刷機を導入されたお客様の事例をご紹介します。現場の課題解決や導入をご検討されている方などの参考になれば幸いです。

目次

1. 製品紹介

2. 製品とスクリーン印刷機との関係

3. 当社スクリーン印刷機を導入した背景と施策と成果

4. お問い合わせから納品までの歩み

5. 導入装置のご紹介

6. まとめ

1. 製品紹介

FPC(Flexible Printed Circuit)とはフレキシブルプリント基板のことで、極薄で柔軟性に優れた配線基板です。
ベースに絶縁性を持つプラスチックフィルムを使い、その上に銅などの導電性金属を積層して構成します。FPCは軽量かつ薄型かつ屈曲性に優れ、曲げても電気的特性が変わらない点や、耐熱性に優れていることが特徴です。この特徴から電子機器の小型・軽量・高機能化に不可欠な存在です。

2. 製品とスクリーン印刷機との関係

こちらの企業様では、絶縁基板(フィルム)の表面に、当社のスクリーン印刷機を用いて導電性ペーストを、細線薄膜印刷されています。印刷された製品は、大手スマートフォンメーカー向けの電子部品用のFPCB(Flexible Printed Circuit Board)や、大手通販会社向けのRFIDに使われています。

3. 当社スクリーン印刷機を導入した背景と施策と成果

背景 既存の生産設備は自国製半自動スクリーン印刷機のみを使用しており、少量の試作案件を中心に受注されていました。
しかし、事業を拡大するため、量産品の受注にも対応したいと考え、新しい設備の導入を検討していました。
施策 精度を維持しつつ量産対応が可能な生産設備を導入するため、自国・日本・海外の各メーカーとコンタクトを取り、検討機種の絞り込みを行う中で、当社にお問い合わせいただきました。
成果 当社のスクリーン印刷機を導入したことで、量産案件の受注が可能となり、事業規模の拡大を実現されました。

4. お問い合わせから納品までの歩み

STEP1 お問い合わせ
2019年9月
海外の電子機器メーカー様より当社のスクリーン印刷機についてお問い合わせ
同月工場見学、簡易印刷テストを実施
STEP2 印刷検証
2019年11月
MSDR-60のユーザー先で、客先資材を使用した印刷検証
STEP3 NDA締結 ・ 打ち合わせ
2019年12月
NDAを締結後、具体的な仕様の打ち合わせを開始
STEP4 売買契約締結
2020年7月
MSDR-60と巻出装置の売買契約締結
STEP5 FAT(工場出荷前検査)
2020年10月
新型コロナウイルスによる渡航制限などの影響により、リモートでFAT実施後、出荷
STEP6 納品
2021年6月
新型コロナウイルスによる渡航制限などの影響を受けながらも、納品および据付

5. 導入装置のご紹介

MSDR-60

シリンダー型ロールツーロールスクリーン印刷機です。
積層セラミックコンデンサや、フレキシブル基板(FPC)、生体センサーなど、高精細な工業用途のスクリーン印刷に適しています。

MSDR Series
機種 MSDR-30 MSDR-60
最大ウェブ幅 (W)(mm) 300 600
最小ウェブ幅 (W)(mm) 150 300
ウェブ厚(um) 25~188 38~188
最大印刷サイズ (W x L) (mm) 250 x 250 550 x 500
最大版枠サイズ (W x L) (mm) 650 x 650 880 x 880
最大処理速度 (秒/shot) 3 3

巻出装置

ロール状の基材を設定張力にて効率よく巻出し、印刷機に送る装置です。
ウェブガイド機構により、ウェブを常に正しい印刷位置に保ちます。これにより、印刷のズレを防ぎ、安定した品質を保つことができます。

巻出装置 Un-winder
機種 MSDR-30 MSDR-60
チャックシャフト径 (inch) 3 3
最大ロール重量 (kg) 100 250
最大巻径 (mm) 400 600
スプライス装置 標準 標準
張力設定 (N) 10 〜 60 15 〜 100

6. まとめ

FPC(フレキシブル基板)の量産現場にて、当社のスクリーン印刷機を導入いただき、新たに大手企業様との取引機会を創出され、事業の成長と規模拡大を実現されました。

スクリーン印刷機のメーカーである桜井グラフィックシステムズでは、装置の販売のほかに、全5棟のクリーンルームエリアを活用した、OEM・ODM事業「試作特化型受託生産」がございます。お客様は設備投資をすることなく、当社のクリーンルームや装置、人材を自由な期間でご活用いただけるため、印刷技法の検証や予算の確保が課題になる新製品開発に伴うリスクを、限りなくゼロに近づけることが可能です。
試作から上市まで、さらには自社で量産ができないお客様には、量産してくれる工場とのマッチングまでサポートいたします。
皆さまのご要望に合わせて最適なご提案をいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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