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レポート

Society 5.0を支える次世代半導体デバイス開発 ~ 曲がる・薄い・大面積を実現するFHE技術とは ~

サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合する「Society 5.0」への移行が進むなか、あらゆるヒト・モノ・環境の状態をリアルタイムで数値化するセンサの需要が高まっています。開発現場では、「人体などの曲面にフィットさせたい」「製品を軽量・薄型化したい」「大面積を低コストでカバーしたい」といった、従来のシリコン基板では対応しにくいニーズが増えています。

本記事では、次世代デバイスの実現を支えるFHE(フレキシブルハイブリッドエレクトロニクス)の仕組みと特長、さらに今後のものづくりにおける可能性を解説します。

目次

Society 5.0と今後のセンサ需要

Society 5.0では、現実空間から得られるデータを収集・活用するため、センサが重要な役割を担います。製造、医療、物流、インフラなど幅広い分野で活用が進む一方、センサには「曲面へ設置できること」「軽量・薄型であること」「大面積に対応できること」が求められています。

シリコン半導体の課題とプリンテッドエレクトロニクス

スマートフォンやPCに使われるシリコン半導体は、高速演算や高精度な制御を得意とします。一方で、硬く、曲げにくく、破損しやすいという特性があり、製造コストも高いため、さまざまな対象物へセンサを貼り付けたり、組み込んだりする用途には限界があります。
こうした課題に対応する技術が、回路や配線を印刷によって形成する「プリンテッドエレクトロニクス」です。PETなどの柔軟なフィルム基材に導電性インキを印刷することで、大面積化や軽量・薄型化、製造コストの低減が期待できます。

ただし、印刷技術だけでは、高度な演算処理や通信機能を実装しにくいという課題があります。

印刷技術と半導体を融合する「FHE」とは

この課題を補う技術が、印刷技術とシリコン半導体(チップ)を組み合わせるFHE(フレキシブルハイブリッドエレクトロニクス)です。

・印刷技術が担う領域(センシング):フレキシブルセンサ、配線・電極、アンテナなど。大面積化や曲面への対応に適しています。
・シリコン半導体が担う領域(演算・制御):CPU、メモリ、AI演算、通信制御など。高速処理やセキュリティ機能に適しています。

これらを融合することで、人体の曲面に完全にフィットするウェアラブル医療機器や、インフラの構造ヘルスモニタリングなど、これまでにない高機能かつ柔軟なデバイスが現実のものとなっています。

市場・技術開発動向

欧米やアジアでは、FHEの研究開発と実用化が進められています。日本でも産総研や山形大学などで研究がおこなわれています。
また、日本にもFHEを構成する要素技術において、フィルム、インキ、機能性ペーストなどの高い材料技術や精密加工技術を持つ企業が数多くあります。一方、日本企業の問題として「技術をつなぐ仕組み」や「エコシステム形成」があげられます。印刷と半導体実装という異なる技術を統合し、短期間で試作・検証する体制づくりは、多くの開発現場に共通する課題になっています。

桜井グラフィックシステムズの試作・量産化支援サービス

株式会社桜井グラフィックシステムズは、70年以上にわたりスクリーン印刷機の開発・製造で培ってきた技術と知見を生かし、FHEの実用化に向けた試作支援サービスを提供しています。

・仕様検討段階からの支援:「何から始めればよいか分からない」という段階から、基材・版・インキの選定や工程設計を支援します。
・初期投資の抑制:自社で設備を導入する前に試作と評価を行うことで、投資リスクを抑えながら検証を重ねられます。
・量産を見据えた技術連携:試作から量産移行までを見据え、各工程に応じた実践的な支援を行います。

まとめ

Society 5.0の実現に向け、センサには従来以上の軽量・薄型化、曲面への追従性、大面積化が求められています。そこで注目されているのが、印刷技術による柔軟な回路・センサと、シリコン半導体の高度な演算・通信機能を組み合わせるFHEです。
FHEを活用することで、ウェアラブル機器、医療・ヘルスケア、スマートファクトリー、モビリティ、インフラ監視など、これまで設置や実装が難しかった場所にもセンサ機能を展開できる可能性が広がります。
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